Microsoft Defenderポータルの使い方:各メニューの役割と毎週行う5つの確認
Microsoft Defenderポータル(旧Microsoft 365 Defender)の各メニューの役割と、毎週行う5つの確認を解説します。
要点: Microsoft Defenderポータル(security.microsoft.com)は、Microsoft 365のセキュリティアラート、インシデント、メール保護、デバイス保護、レポート、ポリシーをまとめた単一の入口です。以前の名称はMicrosoft 365 Defenderでした。表示されるのは、契約しているライセンスに含まれるメニューだけです。毎週、インシデントとアラート、隔離と送信、アクションセンター、メールのセキュリティレポート、Secure Scoreの5つを確認します。
「Defenderポータルを見ておいて」と言われたばかりの情シス担当者向けに、どこを開き、何が重要かを整理します。読み終えると、各メニューの役割、必要なロール、繰り返せる週次の確認手順が分かります。メニュー名は2026年10月28日にMicrosoft Learnで確認しました。ポータルは頻繁に更新されるため、お使いの画面ではメニューの位置が少し違う場合があります。
ポータルとは何か、名称はどうなったか
Microsoft Defenderポータルは、組織全体の防御、検出、調査、対応を1か所に集めたものです。その裏側にあるMicrosoft Defender XDRが、Defender for Endpoint、Defender for Office 365、Defender for Identity、Defender for Cloud Appsなど、Microsoftのセキュリティ製品のシグナルを相関分析します。古い記事や多くの管理者は今も「Microsoft 365 Defender」と呼びますが、Microsoft Learnでは現在「Microsoft Defender portal」と表記されています。
覚えておくべき点が2つあります。
- ポータルには、契約に含まれる機能だけが表示されます。Defender for Office 365はあってもDefender for Endpointがなければ、メール関連の機能は見えますが、デバイス保護は見えません。
- Defenderが相関分析するのは、ライセンスを取得し、プロビジョニング済みのMicrosoftセキュリティ製品のシグナルです。ライセンスのない製品からはデータが入りません。
自社のライセンスを確認するには、Microsoft 365 E3・E5・EMSのセキュリティ機能比較をご覧ください。
サインインできる人
適切なロールを持つ職場アカウントでsecurity.microsoft.comを開きます。以下のページの多くでは、閲覧のみならSecurity ReaderかGlobal Reader、変更にはSecurity Administratorが使えます。できるだけ権限の小さいロールを選んでください。メールのポリシーのページにはOrganization Managementロールグループも使え、Defenderポータルには[Permissions]配下に独自の統合ロールベースアクセス制御(Unified RBAC)もあります。
ポータルの各メニュー
Home
セキュリティの状況をまとめたカードが並びます。Add cardsで表示内容を選べ、ガイド付きツアーもあります。
Investigation & response
- Incidents & alerts:アラートは個々の検出結果で、インシデントは関連するアラートをメール、デバイス、IDにまたがる1つの攻撃ストーリーにまとめたものです。毎日の作業キューになります。
- Hunting:Kusto Query Language(KQL)による高度なハンティング。クエリからカスタム検出ルールも作れます。
- Actions & submissions:Action center(アクションセンター)には、自動調査と自動対応が作成した調査とアクションが表示されます。Submissions(送信)は、メール、添付ファイル、URLをMicrosoftに送って分析してもらう画面で、ユーザーが迷惑メールやフィッシングとして報告したメールも確認できます。
Threat intelligence
- Threat analytics:活動中の攻撃者、新しい手口、脆弱性、マルウェアについてMicrosoftの研究者がまとめたレポートと、関連するインシデントです。
Email & collaboration
Defender for Office 365または組み込みのメール保護がある場合に通常表示されます。実際の表示はライセンスによって異なります。
- InvestigationsとExplorer:Plan 2のみ。Plan 1ではExplorerの代わりにReal-time detectionsがあります。
- Review:Quarantine(保留されたメールとファイルの管理者ビュー)、Restricted entities(制限されたユーザーやコネクタ)、Malware trends、Plan 2のAction center。
- CampaignsとThreat trackers:Plan 2のみ。
- Exchange message trace:メールの行き先を調べます。
- Attack simulation training:Plan 2のみ。
- Policies & rules > Threat policies:Preset Security PoliciesとConfiguration analyzer(Templated policies)、フィッシング対策・スパム対策・マルウェア対策・Safe Attachments・Safe Links(Policies)、Tenant Allow/Block List、Email authentication settings(DKIMとARC)、Advanced delivery、Enhanced filtering、Quarantine policies(Rules)。アラートポリシーもここにあります。
推奨値はExchange Online Protectionの設定、Plan 2限定の機能はDefender for Office 365 Plan 1とPlan 2の違いを参照してください。
ライセンスによって表示されるその他のメニュー
契約内容によって、さらにメニューが表示されます。Microsoft LearnのDefender for Endpointに関するページには、次のものが載っています。
- Assets > Devices:デバイスのインベントリ。
- Endpoints > Vulnerability managementとConfiguration management:ソフトウェアの脆弱性、推奨事項、デバイス構成の検出結果(Defender for Endpoint Plan 2には脆弱性管理のコア機能が含まれます)。
- IDやクラウドアプリに関するメニューは、Defender for IdentityやDefender for Cloud Appsのライセンスに依存します。ライセンスがなければ表示されません。
メニューの名称はライセンスやポータルのバージョンで多少異なるため、ご自身の画面で確認してください。
ReportsとSystem
- Reports > Email & collaboration > Email & collaboration reports:メールのセキュリティレポートとDefender for Office 365のレポート。
- System > Audit:監査ログの検索と、監査ログの保持ポリシー。
- System > Permissions:DefenderのUnified RBAC、Microsoft Entraのロール(ここでは閲覧のみ)、Email & collaborationのロール。
- System > Health:Service healthとMessage center。
- System > Settings > Microsoft Defender XDR:Defender XDRのインシデントメール通知、アラートの調整、Streaming API。Email & collaboration配下には、ユーザー報告の設定、ユーザータグ、Plan 2では優先アカウントの保護とTeams保護があります。
毎週行う5つの確認
- Incidents & alerts。 Investigation & response > Incidents & alerts > Incidentsを開きます。重大度順に並べ、重大度が高いもの、複数のアラート元を持つアクティブなもの、担当者がいないものを見ます。新しいインシデントには担当者がいません。Manage incidentを開き、Assign toで担当を指定し(1ユーザーまたは1グループのみ)、StatusをActiveからIn progressに変え、完了したらResolvedを選んで解決メモを書きます。ClassificationはTrue positive、Informational, expected activity、False positiveから選びます。Microsoftは、インシデントケース(incident cases)が現在プレビューで、推奨される新しい使い方だと説明しています。ここで説明したのは従来のキューで、項目名は似ています。週末の目標は、担当者のいない重大度「高」のインシデントをゼロにすることです。
- 隔離(Quarantine)と送信(Submissions)。 Email & collaboration > Review > Quarantineで、誤って保留された正規のメールを探し、安全ならリリースします。Actions & submissions > Submissionsでは、ユーザーが報告したメールを見直し、判定が誤っているものをMicrosoftに再送信します。同じ送信者やドメインが何度も保留されるなら、ポリシーを見直す合図です。
- Action center。 Actions & submissions > Action centerを開き、自動調査と自動対応が作成した調査とアクションを確認します。保留中のものは見落とさないようにします。Defender for Office 365では、Action centerはPlan 2の機能なので、Plan 1ではメールについてこの確認は当てはまりません。
- メールのセキュリティレポート。 Reports > Email & collaboration > Email & collaboration reportsを開きます。マルウェア、フィッシング、スパムの件数を先週と比べ、急な変化に注意します。
- Secure Scoreと構成のドリフト。 security.microsoft.com/securescoreでMicrosoft Secure Scoreを開き、新しい推奨アクションを確認します。次にConfiguration analyzerのConfiguration drift analysis and historyタブで、誰が脅威ポリシーを変更し、その変更で防御が弱まっていないかを見ます。ドリフト分析には統合監査が有効である必要があります。Microsoft Secure Scoreを上げる方法もご覧ください。
月に一度はThreat intelligence > Threat analyticsも確認し、掲載されている脅威が自社に関係するかを考えます。
よくある失敗
- アラートだけを見る。 アラートは断片です。それらをまとめたインシデントを起点にします。
- 分類せずにインシデントを閉じる。 Microsoftは、インシデントを分類するとDefenderの検出が時間とともに改善されると説明しています。
- ポータルの担当者がいない。 担当者と代理を決め、週次の確認をカレンダーに入れます。
- Plan 1でPlan 2のページを期待する。 Explorer、Campaigns、Threat trackers、Attack simulation training、InvestigationsはPlan 2のみです。メニューが見えない場合は、対応するライセンスがないことが多いです。
- 閲覧のためにGlobal Administratorを全員に付与する。 閲覧だけならSecurity ReaderかGlobal Readerにします。
- 構成のドリフトを無視する。 善意の変更でポリシーが静かに弱くなっても、アラートは出ません。
動作の確認方法
- 指名した担当者がsecurity.microsoft.comにサインインし、毎週の5ページを開ける。
- インシデントキューに、1週間以上担当者がいない重大度「高」のインシデントがない。
- Quarantineのページで、直近にリリースした3通がなぜリリースされたかを説明できる。
- ドリフトのタブで、直近のポリシー変更を誰が行ったか確認できる。
- 対応が不要だった場合も含め、週次の確認が記録されている(「今週は対応なし」の一行で構いません)。
FAQ
Microsoft Defenderポータルはありますか。
あります。security.microsoft.comで、以前の名称はMicrosoft 365 Defenderです。Defender XDRとその他のMicrosoftセキュリティサービスを1か所にまとめています。
Microsoft 365 DefenderポータルのURLは何ですか。
security.microsoft.comです。Configuration analyzerはsecurity.microsoft.com/configurationAnalyzer、Secure Scoreはsecurity.microsoft.com/securescoreに直接アクセスできます。
Microsoftのセキュリティチームからのメールが本物かどうか、どう見分けますか。
これはMicrosoftの機能ではなく一般的な注意点です。予期しないメール内のリンクからサインインしないでください。自分でsecurity.microsoft.comを入力するか、Microsoft 365管理センターを開き、同じメッセージやアラートがそちらにあるか確認します。
Defender for Endpoint Plan 1とPlan 2の違いは何ですか。
Plan 1は、次世代マルウェア対策、攻撃面の縮小ルール、デバイス制御、ファイアウォール、ネットワーク保護といった中核のエンドポイント保護を提供します。Plan 2はそこにEDR、自動調査と修復、脆弱性管理、脅威分析、サンドボックスが加わります。
ポータル上で、Defender for Office 365のPlan 1とPlan 2はどう違いますか。
Plan 1にはSafe Attachments、Safe Links、Real-time detectionsがあります。Plan 2ではThreat Explorer、Campaigns、Threat trackers、自動調査と自動対応、Attack simulation trainingが加わります。
関連記事:Microsoft 365セキュリティチェックリスト。
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